49歳を迎え、山守の使命とは!

九州北部で記録的な大雨が降り、多くの死者や行方不明者が出るなど、甚大な被害が出ております。お亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

局地的な豪雨、記録的な大雨がもたらす自然災害が確実に増えてきています。このような自然災害が起きるたびに、自然の恐ろしさ、人間の無力さを感じます。

大量に流される流木、土砂が被害の拡大に繋がっている光景を見ると、日々山と向き合い林業の現状を知る一人として、非常に心が痛みます。

三年前に発生した広島土砂災害の時にも、山の現状を伝えるテレビ取材の協力で、手入れされた山と、放置された山を案内し、林業の現状から山奥に潜む土砂災害の危険性を説明させていただきました。

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あれから三年の月日が経ちましたが、二年前には鬼怒川災害が、そして今回また大きな自然災害が起きました!

集中豪雨やゲリラ豪雨がこれだけ頻繁に発生する気象状況になってくると、現在の森林土壌では耐えきれないように感じます。河川流域災害の危険リスクが高まっているということです。

災害を最小限に留める、命を救う環境・林業政策、真の国土強靭化政策を打ち出していかなければならない時代に突入してきたのではないでしょうか? 現在37都道府県で導入されている森林環境税、更に国税版森林環境税創設に向けた動きも大詰めを迎えてきております。地方、国においても、徴収された税金をどのように活用していくか? 今まで以上に内容が問われるとともに重要になってくるでしょう。国土の七割が森林である日本だからこそ、向き合わなければならない視点があると思います。

山守として、代々受け継がれてきた山林を守るだけでなく、樹種転換も含めた災害に強い森林として再生できるか、さらに地域全体の山のグランドデザインを描くことができるか、視点と能力が問われる時代かもしれません。

49歳を迎え、生かされてきた年輪に感謝し、新たに積み重ねる一年という年輪を大切に山守の使命を果たしていきたいと思います。

*道を覆う杉の葉や枝をよけながら山林現場に向かわなければならない現状、この風景に今の山村と林業の現状が垣間見える。

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