講演会「奈良県の林業の新しい取り組みや今後の展望について」
公益社団法人奈良県不動産鑑定士協会主催による講演会が2月20日(木)
奈良商工会議所で開催されました。
「奈良県の林業の新しい取り組みや今後の展望について」と題して、一般並びに不動産鑑定士協会関係者含め、
約90名の参加者の皆様に、微力ながら私が講師を務め林業のお話をさせていただきました。
林業は山づくりから始まり、木材を活用する消費まで、長い年月とコストがかかる裾野の広い産業でもあります。
また、森林の持つ多面的機能は、我々の生活に多くの恵みを与えてくれています。
林業を持続可能な産業として蘇らすことで、多面的機能を発揮できる環境を維持できるか?
また多面的機能を発揮できる環境を生みだすことで、林業を産業として蘇らすことができるか?
ここで忘れてはならないことが、林業とは地域の暮らしを豊かにする産業でなければならないという事である。
生命の源である豊かな水を育む山を次の世代に継承するために!
伊太祁曽神社「木祭り」に参列
1300年の歴史を誇る伊太祁曽神社「木祭り」祭典に参列させていただきました。
木に関わる職業の人のみならず、森林率7割を占める日本において、
木の文化と深い関わりをもって歩んできた日本人ひとりひとりが、
木と如何に向き合うか、今一度真剣に考えなければならない
時期にきていると、改めて感じました。
今の地域の暮らしと林業の関わりを見る限り、
もっと本質は深いところにあるように感じます。
人間教育も含めた年輪教育の必要性を。
木々の恩恵に感謝するお祭り「木祭り」に初めて参列させていただき、
また一つ気づきを得たように思います。
檜皮葺屋根も木の文化を象徴する日本文化の一つですね。
まさに芸術です。
「木に生かされる」林業とは何か、「木に生かされる」建築とは何か
「木に生かされる」住宅とは何か、などなど、
これからも道を探求して行きたいと思います。
木の神は知れば知るほど深くなってきますね。
木に感謝の一日でした。
北海道下川町へ
北海道美瑛町で開催された全国森林環境税定期総会
の翌日7月13日、環境未来都市並びに森林総合産業特区に認定された
下川町に行ってまいりました。
実は3年前に下川町の森林産業を中心とした町の取組に関する講演会を
聞かせていただき、機会があれば下川町に訪れたいと思っておりました。
その時の講演者が現環境未来都市推進本部長の春日隆司さんで、少しの会話でしたが
凄く印象に残っており、必ずもう一度お会いしたいという想いがありました。
森林面積率88%、人口約3,600人の町は、森林総合産業の構築による
林業・林産業の経済的自立を目指し、確実に歩まれています。
下川町森林組合の木炭・小径木加工工場見学
防虫効果や防腐効果が優れている燻煙処理材が魅力的で人気が高いそうです。
副産物である木酢液や煙を生み出す為に木炭をつくっている姿勢にも
林産業の一体化が垣間見えました。
薪も見事に積み上げられている
下川町森林組合は60名の雇用を創出。
木質ボイラーによる公共施設のエネルギー自給も実現
半世紀にわたる森林・林業の取組が、しっかりと今の下川町に受け継がれています。
そのキーマンになっているのが、明確な目標を定め、「やれるではなく、やる」
という意識で取り組まれているスーパー公務員春日部長であるという事を
現場を訪れて、改めて感じました。
平成30年までにエネルギー(熱・電気)自給率100%を達成する強い思いを感じました。
春日部長が、「森林を造り、未来を創る」下川町を目指す想いの背景には、
前下川町長 原田四郎氏の貫き通した森林産業政策にあることも理解できました。
「人が人をつくる」 やはり人ですね。
下川町と吉野町の山林形態は違えども、学ぶべきところ、連携できるところで
今後ネットワークを確立していければ面白い展開が生まれるかもしれません。
今回の下川町での春日部長との再会、林業を地域の産業として存続できる
最後のチャンスと捉え、私に一貫した信念と政策を持つ使命感を
植え付けてくれたのかもしれません。
地域の暮らしと林業について
今の日本の林業政策の現状を見ていると、果して地域の暮らしは
豊かになるのだろうか?
吉野だけを見ているのではなく、九州や四国そして先月訪れた岩手県の現場を見て
私なりにそう感じてしまう、
何故ならば、地域の特徴を活かした林業政策ではなく、全国同じような木材流通
の仕組みに向かわざるを得ない政策になってきているように感じます。
原木丸太を木工団地に集積し、ラミナ製材、集成材、プレカットという流れで
製品化してハウスメーカーなどに流通していく仕組みになってきている。
ラミナ製材工場の様子
確かに効率化による産業化のしくみは、補助政策の影響もあり、
一定期間は構築できるかもしれませんが、先が見えている気がしております。
作業道をつくり、木材の搬出コストを下げることは、木材生産をしていく上で
重要なことであるが、原木丸太価格が採算に合わない状況になってきています。
「地域の暮らしを豊かにする林業とは何か」 今一度自然と向き合う現場で
林業政策を考える必要があるのではないだろうか?
林業は地域の職人を育て、技術を生み出し、文化を育んできた産業でもあります。
地方が元気になるためにも、必ずやり遂げなければならない大きな課題でもあります。
それぞれの地域が豊かになる林業政策の確立を目指して、行動を起こしていきたいと
考えております。
シンプルな答えを求めて!
武雄訪問物語その5
いよいよ武雄物語もクライマックスを迎えてまいりました。
まずは武雄訪問3回目の感激をお伝えします。
二日目の夕食、なんと市長の自宅に招待していただき、奥様の
手料理をご馳走していただきました。
奥様も気さくな方で、言葉では表現できない程、楽しい時間を過ごさせて
いただきました。最高に感激!
そしてその夜、もう一人再会させていただいた人がいます。
2月のストリームカフェin武雄で出会った市長の同級生河内嘉之さん。
何事に対しても真面目で、義理堅い人です。
その後吉野にも来てくれた経緯もあり、少しでもお会いできればと考えて
おりました。私の時間に合わせて、わざわざ自宅から出てきてくれた時は
うれしかったです。
河内さんとのツーショット写真
最終日、F&B良品と武雄短観について関心がありましたので、
職員さんから説明をしていただきました。
F&B良品について説明してくれた古賀敬弘さんは、企業の営業マン
と錯覚するほどのプレゼン力でした。
名刺交換をして説明に入る前に、気持ちいい演出をしてくれました。
楽しいだけでなく、現地で人から学ぶことの大切さを
感じさせていただいた3日間でもありました。
毎朝登り、桜山から眺めた武雄の風景は、これからの人生においても
忘れることのできない風景の一つとなりました。
私が二日間登った桜山を駅から眺める
二日間お世話になった武雄温泉旅館「東洋館」
源泉かけ流しの温泉があり、非常に落ち着いた
おもてなし旅館でした。特に旅館の仲居さんは最高でした(笑)
最高のおもてなしをしていただいた市長、秘書の杉原さん、菰田さん、
職員の皆様、そして奥様に心から感謝申し上げます。
最後に、やっぱり人だな!そしてリーダーだな!と感じた武雄訪問でした。
樋渡市長は最高です!
吉野のまち案内で見えてきたこと
今年の4月は例年になく人を連れて吉野山によく行きました。
そのお蔭で桜から新緑に変わる風景の美しさも改めて感じさせていただきました。
吉野町には吉野山以外にも素晴らしい景観場所がたくさんあります。
今回案内させていただいた津風呂湖と国栖の里も吉野が誇る美しい景観場所
の一つです。
まち塾提唱者の磯井純充さんと地域おこしの旅人友廣裕一さんを案内している道中
吉野の景観の美しさが看板の少なさにあることを指摘されました。
そして地域の豊かさを引き継いできた証が、集落の瓦風景に表れていることを!
人口が減少し、空き家が増え、過疎化が進んでいる中で、この景観の豊かさを
保持できているところに地域の底力があるのではないだろうか。
そのことに町民自身が気づき、行動を起こしていくことが、吉野というポテンシャルを
蘇らせることに繋がるように感じます。
時間をかけてきたモノの価値を理解し、次の時代にどのように活かしていくか、
今、問われているように感じます。
今、自分の立場でできることは、空家対策条例や景観条例などの政策提案や
空家を利用したシェアハウスなど人を呼び込み動かす見える化事業だと考えております。
もう一つ好きな景観が吉野川を渡る鉄橋の風景です。
このような景観を生かすも殺すも人次第であるということを
肝に銘じてまちづくりに取り組んで行きます。
銘木と銘酒の町フォーラム2012
本当に久しぶりの投稿になりました。
フェイスブックを始めてから、ブログが疎かになってしまいました。
しっかりとした想いを伝えるにはブログの必要性も大切だと思っております。
昨年度に続き、産業と文化のまちづくり「銘木と銘酒の町」フォーラムを
2月25日開催させていただきます。
吉野杉の原点である桶・樽から始まったこのプロジェクト
木桶の復活とともに、木桶仕込みの日本酒も復活させることができました。
木桶職人上芝氏との出会い、協力がなければ成しえなかったプロジェクト
だと、改めて感じております。
あれから早一年、地震や台風災害など多くの震災が、日本を襲い
我々の価値観にも変化をもたらしたように思います。
日本人としての価値観、地域の暮らしを支えてきた文化的な価値観、
そのような価値観を支えてきたのが日本の産業であり、地域固有の産業で
あることを感じながら、2年目のフォーラムに臨みたいと思います。
今回は、味噌、醤油など容器としての可能性を探るべく、視察を重ね
吉野杉の可能性を探求してまいりました。
パネルディスカッションでは、吉野杉の可能性を
「日本文化」「吉野杉の木桶」「吉野杉の木槽」の視点から
実践に即した話が聞けると思います。
また、フードコートでは、日本酒にあう吉野の食文化を楽しんでいただける
催しも同時開催しております。
そして、これからヒットする予感の吉野YATAIも登場します。
詳しくは吉野ウッドプロダクトホームページをご覧ください。
http://www.yoshinostyle.com/index.html
尚、参加ご希望のみなさまは、事前申込みのご協力をお願いいたします!
申込みはこちらから!
http://www.yoshinostyle.com/pg99.html
2011年に感謝
2011年もあっという間に大晦日を迎えました。
振り返ってみますと、人との出会いから挑戦を繰り返した一年であったように思います。
昨年の大晦日は、経験したことのない大雪に見舞われ、胃腸の具合が悪く、
今思うと、荒れる予感の大晦日だったのかもしれません。
今日は穏やかな天候で、自然が微笑んでくれているように感じました。
我々の仕事は、常に自然と向き合い、恩恵を受けながら生かされています。
持続可能な社会の構築に、林業が一役を担える、そんな想いを持って2012年も
挑戦していきたいと思います。
まだまだやらねばならない大きな山があります。
支えてくれている多くの人に感謝しながら、地域の力を信じて、歩みたいと思います。
2011年、中神木材と関わり、支えてくださいました皆様に心から感謝申し上げます。
中井章太
木の器フォーラム
7月2日(土)大阪のからほり御屋敷再生複合施設「練」2Fで
木から暮らしを考えるフォーラム「木の器」を開催いたしました。
山と街をつなぐきっかけを、木のおひつと木の桝を切り口に、ご飯・お酒・漬物を
味わいながら木との関わり、山と街の関わり、自然との共生などについて
考える時間を共有しました。
参加者が少し多かった分、距離感が少しあったように感じられ、
参加者全員の声を聞くことが出来なかったことが、少し残念に感じました。
木のおひつご飯とたっぱご飯の食べ比べをしてもらう様子
フォーラムの中で伝えられなかったことをブログで伝えさせていただきます。
①樽丸が吉野林業の原点であり、吉野の育林技術を継承することが、特徴を活かした商品づくりに繋がる
②一人前の木を育てるのに三世代に亘る人の技術と自然の力が必要であるのだから、商品を完成させるときにも、木の性能を見極める人の技術が必要である
③山作りを通して、自然の力と命の尊さ、感謝の念を学ぶ
あと書籍として「森の力」浜田久美子著書が内容的に勉強になります。
このフォーラムを機に、吉野やままちの活動を展開してまいりたいと思います。
林業・木材加工体験学習
昨日に引き続き、寝屋川中学一年生180人を対象に、吉野町にある林業機械化推進
センターフィールド内で林業・木材加工体験学習を実施しました。
間伐体験の模様
木材加工体験の模様
木と触れる子供たちの顔は、生き生きと楽しそうに見えました。
間伐体験では自分で伐採し、皮を向いた丸太を短く切り、もって帰る子供、
木材加工体験では、いつまでも木を磨き、木と触れ合う姿を見させてもらい
改めて木の持つ力を感じました。
木を活用してもらう流れが、子供たちの林業体験をする姿を通して
少し見えてきたように感じました。