山林地開け(火入れ)
伐採跡地には、残木や枝葉などがたくさん残るため、新たに植林するためには
土壌を整備しなければなりません。土壌整備として、昔は頻繁に山林地開けが
行われていました。
近年では、木材価格の下落や、山林労働者の不足により、山林地開けは
ほとんど見られなくなっています。
特に火入れによる山林地開けは、山林火災の危険等のリスクがあるため
激減しているのが現状です。
吉野林業は密植による育林が特徴の一つでもありますが、火入れによる地開け
をすることにより、山林面積を最大限に活用できるメリットと後の下刈り等の作業が
スムーズにできるメリットがあります。
しかし、現状においては、山林労働者の不足と経費を極力抑えるために、植林する
場所だけ地開けを行うケースがほとんどです。
今回、道路の近くの山林ということもあり、危険の少ない箇所の火入れ地開けを
行いました。
この火入れ作業を行うにあたっては、当然行政並びに消防署等の許可は
必要です。また、作業天候についても、雪や雨など火災リスクの少ない日に
行います。この日も午後から雨が降る天候の中、行いました。
この山林は、吉野町の玄関口として、1000本の桜でお迎えし、木の発信が
できる交流の場として、活用できたらと考えております。
桜の花が咲くには、もう数年はかかるかな?
山の神
新年明けましておめでとうございます。
山の一年のスタートは、1月7日の山の神へのお参りから始まります。
山に携わる人が、一年の息災を祈願いたします。
年々、山に携わる人が少なくなり、高齢化しているのが現状です。
私の住む吉野町においても、林業労働者を抱え、素材業として事業を営んでいる
業者は、数えるほどになっています。
日本の林業政策を視野に入れながら、地域独自の林業政策を打ち出さなければ、
先祖から受継いだ山を守ることができない状況まできています。
守るべきものを見極め、形を変え進化する勇気が、今吉野林業に必要であると
感じます。
進化し続ける奈良の企業、中川政七商店、中川社長は「伝統工芸は上手く需要を
つかみ、商売を成功させたから、伝統産業になれた。変化する時代に適応する
ことは伝統産業の定義に反していない」と1月6日の日本経済新聞にて説いている。
山という大きな自然の神と向き合いながら、今年一年、進化できるよう挑戦したいと
思います。