杉伐採時の色合い
天候は晴れ。
杉材は非常に水分が多い木で、伐採してから約3ヶ月~6ヶ月、
150年を超えると1年以上山で葉枯し乾燥し、出材します。
葉枯し乾燥する理由は、杉材に含まれている水分を少なくし、
木そのものを軽くし、出材しやすくするためです。
もう一点、吉野材特有の色合いをだすために葉枯しをします。
左右写真(10/5伐採)は同じ日に伐採した杉ですが、
伐採したときから色の違いがあります。
右写真の杉材は、中心部が赤く回りが黒くなっていますが、
乾燥するにつれて徐々に赤くなっていきます。
赤くなることを色がでるといいます。
伐採時に切り口全体が真っ黒な木もありますし、葉枯らしを
しても、色がでない木もあります。
杉材は、色をあわすのが難しいといわれる理由がここにあります。
林材まつり
天候は晴れ。
杉・桧約7000石(1900㎥)の林材まつりが上吉野市場で行われました。
上吉野市場の林材まつりが最後ということもあり、思ったように売れるだろうか?
たくさんの買主さんが来てくれるだろうか?少し心配でしたが、県外の方も含め
多くの買主さんが来てくれました。
中神木材も杉49石(13.6㎥)桧211石(58.6㎥)を出荷しました。
下の写真は6・7mの杉丸太です。枝打ちをしたまっすぐな長尺丸太が
とれるのも、吉野材の大きな特徴です。
上記風景は、中神木材の桧の市売り風景です。
今、仕事をしている山の一番大きくて、良材の桧が林材大会長賞を
いただきました。直径44cmの桧。㎥当り40万円(一本約30万円)
こんな木を次の世代に残せるよう、今できることを信念をもって
取り組むことが吉野林業の継承に繋がると信じて頑張ります!
市場へ出荷準備
天候は晴れ。
10月30日の林材祭り出材に向けて、奮闘中。
林材祭りは年1回10月に開催され、大径木を中心に良材が多数出荷されます。
しかし近年は、木材価格の低迷により、出荷量も減り、賑わいも通常の原木市と
変わらなくなってきました。
でも、山守として、年に一度の晴れ舞台に出荷できる木材がある限り、原木市場
に出し続けます。
今入っている山で、太い桧・杉を中心に約250石(70㎥)を出荷する予定で仕事
をしています。
サシ取りをした約19mの桧を上下から見た写真です。
この桧で周囲180cm(地面から1.5mで測定)です。
4mに玉切りした末口にすると、直径44cm位かな?
ここまで育ててくれた自然と人に感謝・感謝!!
この桧が、どこで、どのように、誰が使ってくれるのか、
見てみたいものです。
新たな市場への挑戦
天候は曇り。
神戸の自然素材にこだわる住宅会社である㈱N-Basic
濱田社長と知り合わせていただき、吉野の木が、自分の木が
濱田社長のもとへ旅立とうとしています。
顔の見える木材流通にしたいという想い、今のままの木材流通(原木市場のみ)
に対する先行き不安が重なる中、濱田社長のご理解をいただき、中神木材にとって
新たな木材流通の第一歩を踏み出そうとしております。
色々な課題はありますが、新たな取組への期待感に喜びを感じています。
100年生桧の3番玉を中心に届けられたらと思い、山で仕事をしています。
この桧が、どのような表情を出すか、今から楽しみです。
濱田社長楽しみに待ってて下さい。
森林セラピー
天候は晴れ。
今日は津市森林セラピー基地のグランドオープンということで
風邪で体調はあまりすぐれなかったが、行ってまいりました。
森林セラピーの持つ可能性を信じるとともに、町づくりに活かせないか、
大変関心があったので、10時の式典から参加してきました。
約300人ぐらいの参加者だったかな?地元松田市長をはじめ
参議院議員、県会議員多数の来賓のもと、ブース出展もあり、
盛大に行われていました。
ブース出展で一番売れていたのが、杉の丸棒の杖でした。
杉の丸棒といえば、私が丸棒シェルフとして使用してる軽くて
強い材です。杖に使うとは少しもったいないような・・・
でも美しさと軽さから完売してました。
式典の後、記念行事として、軽音楽「ROSE]のフルート演奏と
ジョン ギャスライト氏の講演がありました。
ジョン ギャスライト氏は現代の人間社会において「森から学ぶことの
大切さ」を強調されておられました。
講演終了後、せっかくだったので、体験ウォークとして「霧山コース」
約3.4kmのコースを一気に駆け上ってきました。
グランドオープン以前に、一度訪れたときと比べ、
さすがに山林は整備されていました。
さすがに休まずに頂上まで登るのはきつかったです。
改めて感じたこと、山登りの楽しさは頂上を目指し、登りきった
達成感とそこに待ち受ける壮大な景色だということを!
森林セラピー基地認定は東海エリアでは第一号だそうだ。
森林セラピーだけにとどまらず、恵まれた自然と歴史をもつ吉野が、
なぜ時代の最先端を走れなくなったのだろうか?
森林セラピー基地に認定されたから、経済効果がすぐにでるわけではないが、
町の目指すべき姿勢が、見えてくるように感じる。
吉野町商工会工業部会視察研修
天候は晴れ。
今日は吉野町商工会工業部会による視察研修で西宮へ行ってまいりました。
まずは芦屋のモデルハウスにて「ひょうご木のすまい協議会の取組について」
会長の三渡さんから説明を受けました。
県産材を売らなくてはならない理由や流通のしくみの改革にはグループ化が必要だと
いう説明をいただきました。
そして何よりも会長の住まいに対する想い、それは「日本の暮らしを元に戻そう」
「土・木・草」といった自然素材の必要性を語られていました。
山・製材・工務店が一体となって吉野材の魅力を発信し、消費者に納得いただける
しくみを早急に構築することが必要不可欠であると、改めて感じた。
そのことが、町を県を国を動かす大きな力になるということを確信しました。
次に、西宮で一軒となってしまった樽屋を営む㈱田中製樽工業所を見学
させていただきました。
樽丸といえば「吉野杉」吉野材の特質を見事に活かした商品です。
しかし、今では樽丸の需要減少とともに樽丸を作る技術、文化がなくなるのではと
危惧している。
そこで、樽作りの文化を守り続けるために、新しいディスプレイ樽へ挑戦し、
経営をされている田中社長の話を聞かせていただきました。
今では売上の約7割がディスプレイ商品だそうです。一人でも多くの人に見てもらう
ことから樽丸の素晴らしさ、吉野杉の魅力を伝えようとしている姿勢に感銘いたしました。
田中社長の話の中で、改めて樽丸に適した吉野杉の特性を聞かせていただき、
その中に吉野材の復活のヒントがあるように感じました。
田中社長が伝える吉野杉への想い
「深い自然の中で長い年月をかけて育まれた吉野杉
美しい年輪模様は息きて いい木香をはなつ
ちょっと・・・・・・風情のある暮らしを楽しんで下さい。」
今回の視察で、また新たな刺激をいただきました。
三渡会長、田中社長ありがとうございました。
水都おおさか森林の市
天候は晴れ。
大阪の桜ノ宮で開催されている水都おおさか森林の市に
吉野町から割り箸組合さんと吉野中央木材さんがPR出展
そして山灯り作品展示ということで、行って参りました。
各ブースでは何とか地域材をPRしようと木工品を作ったり、創意工夫をされていました。
身近な商品から「木の魅力」・「木を活用する意義」を伝えていこうという想いが、
表れていたように感じました。
一つ一つは小さな動きかもしれませんが、最終的に「木」という日本の文化を
通して築き上げた大切なものを取り戻す力となるような気がします。
自然と共生できる住まいの実現に向けて!!
水都おおさか森林市で気づいたこと、吉野の森「100年のストーリーパネル」
によるPR戦略。吉野材の恵みを無駄なく活用してきた吉野だからできる戦略だと思う。
同時開催で「オフィスに木の香りとやすらぎを」テーマにした展示会が行われており、
面白い商品が並んでいました。
杉の赤色と白色を組み合わせたストライプ商品がきれいでした。
私は、もともと「オフィスに木製パーテーションを」という想いでインテリア商品の開発に
取り組んだ経緯がありましたので、今回の展示会は非常に参考になりました。
台風被害
天候は雨のち曇り。
大型台風18号と秋雨前線の影響で、各地で大きな被害が出ております。
自然災害が起きるたびに、自然のスケールの大きさに対して神頼みして
見守ることしか出来ない人の無能さを感じる。
だからこそ、日常から自然と向き合い、自然と共生することの大切さを
もっともっと学び、実行することの重要性を感じる。
私は林業という職業を通して、自然の恵みを感じるとともに、
怖さも肌で感じさせていただいている。
(いつも仕事をさせていただいている林道の山林一部土砂崩れ現場)今、温暖化対策として二酸化炭素排出削減目標を掲げ、色々な政策を
打ち出しているが、日本の国土の約7割を占める森林と真正面から向き合い、
森林資源を生かすことが本当の意味での温暖化対策に通じるのではないか、
と強く感じる。
吉野視察会
天候は晴れ。
今日は、前回7月にブログに掲載しましたグループによる吉野視察ツアーです。
10時に吉野神宮駅に集合していただき、吉野中央木材さん、坂本商店さんの製材所を
見学していただきました。(吉野中央木材製材風景)
(坂本商店製材風景)
吉野の杉・桧の香り漂う製材所、ここで本当の吉野の木と向き合う時間をつくることで
吉野林業の新たな発見をしてもらえるのではないだろうか。
(吉野山にて昼食)
(白雲荘見学)
日本の心を感じる素晴らしい建物であり、
吉野のもつ恵みを改めて感じさせられる空間である。
(白雲荘から見える金峯山寺蔵王堂)
(東南院歴史ある吉野建て)
色々な人と出会い、吉野を歩くたびに新たな発見がるように、
吉野には人にエネルギーを与える何かがあるように感じる!
吉野の持つ「木という文化」「歴史という文化」「技術という文化」を視察し、
改めて「人」とともに歩んできたのだと感じました。
原木市
天候は曇り後雨。
今日は出荷した原木丸太の晴れ舞台。
久しぶりに原木市場全体に木が並びました。
約4000石(1100㎥)の桧・杉材が並びました。
中神木材も桧158石(43㎥)杉70石(23㎥)出荷しました。
配列が一番最後ということもあり、人が残ってくれるか?
材木の製品流通が停滞し、売れにくい状況の中で、希望価格で
売れるのか心配でした。
午後から雨が激しくなり、状況が悪い中でしたが、中神木材の木に愛着を
持ってくださる製材所の方が最後まで残ってくださり、今の木材相場の中では
良い方で売ることができ、ほっとしました。
今日の高値は㎥あたり18万円。上記写真原木は3mで末口が36cmの桧材です。
材積は0.389㎥ですので、1本単価に換算すると約7万円になります。
これでも10年前の半値かな?
木の価値を伝えるしくみづくりと顧客・工務店のニーズに応える吉野材の加工能力を
上げなければ、価格下落を止めることはできないと思う。
香り輝く木を生み出す自然環境のもと、木を育てるプロ、木を料理するプロが
吉野林業の歴史です。
自然と共生してきた吉野の力を今一度全国に世界に見せる時がきたように感じる!