原木市

台風12号の影響で、例年より原木丸太の出荷量が少ないです。

特に山間部の方は、道路が土砂崩れなどで通行規制がかかり厳しい状況です。

現状で木材価格は上昇してませんが、災害による原木丸太の供給不足を懸念してか、

最近の相場からすると値段が良かったです。

CA3H0148

上記は中神木材出荷の120年生ヒノキ丸太です。

自然の恵みと人の技術から生み出された吉野材、歴史の重みを感じる一時です。

林業丁稚

東日本大震災から一ヶ月が過ぎました。

被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々に

ご冥福をお祈り申し上げます。

今もなお続く余震の中で、一日も早い復興を願い、前を向いて進もうとする姿に、

人間の持つ底力を感じます。

今やらなければならないこと、やれること、

それは「今おかれている環境の中で全力を尽くすこと」

そして一瞬一瞬を大切にすることで必ず新しい道が開けてくると信じて!!

今自分にできること、林業を通して、

日本を元気にすること、人の心を豊かにすること。

林業丁稚の試みもその一環かもしれません。

スギダラケ倶楽部で知り合った建築士の女性が、山と町を繋ぐ思いから

林業丁稚に来られました。行動力には感銘いたします。

木起こし作業風景

CA3H0061

雪害による木起こし作業は、通常の形に戻す大変地味な仕事ですが、

木を一人前に育てる過程において、大変重要な作業であるということを

知ってもらいました。

木を通して、自然への感謝の気持ち、生命の大切さ、生き方など、少しでも

社会に貢献できる活動を今後も進めていきたいと思います。

地域の特色を活かした林業再生を目指して②

木と人、木と町のかかわりを知ること、すなわち木の歴史を知ることで

地域独自の木の活かし方が見えてくるのではないだろうか。

当然、歴史ある林業地、先進的林業地など地域の差はあれど、

林業再生への道筋は考えていかなければならない状況にあります。

 

吉野杉は、樽桶としての利用用途において大きな役割を果たし、

吉野林業の歴史をつくりあげてきた一つでもあります。

吉野杉の特徴を活かした木どり、容器としての機能、お酒との合性を

上手く結びつけた、木を活かした樽丸という文化を作り出してきました。

CA3A0340

木と向き合うことで、木を知り、木の使い方が見えてくる。

そして木の活かし方のヒントになる地域の特色があるはずである。

それらが結びつくことで新しい用途が開発されたり、新商品が生まれたり

するのだと思います。

ひいては、地域の文化として、新たな歴史を築く

PAP_0008

PAP_0009 

地域の特色を活かした林業再生を目指して①

今、国の方では木材自給率50%を目指して、林業再生プランを進めております。

林業再生に向けては、いくつかのポイントがあろうかと思います。

林道・作業道整備、集約化施業、大型林業機械による低コスト搬出、

森林組合のあり方、人材育成、国産材の利用等々あります。

林業再生への道のりは、木が商品として使われるまでの時間、しくみを見る限り

容易いものではないことは、誰しもが認識しているところであろうかと思います。

木というものは、地域の文化であり、日本の文化でもあります。

我々が今一度考えなければならないことは、木という文化が地域地域で

どのような歩みをしてきたか、人や町とどのように関わってきたかを再認識し、

林業再生にむけて取り組むことが重要ではないかと思います。

そのことをせず、産業としての効率化ばかりを進めてしまえば、

日本の心という大切なモノを失くしてしまうような気がしてならない。

PAP_0434

CA3A0262

PAP_0426

粉砕機

粉砕機の実演をしてもらいました。

機種はカルイの自走式粉砕機ドラコムで、粉砕径120㎜までの小径木、

枝、竹などを粉砕する機械です。

PA0_0125

実演風景

PA0_0123

PA0_0122

山に捨て切りされた林地残材を何とか活用できないか、資源を無駄なく

活用するために、山でかたちを変えて、搬出できないか・・・

一つの活用方法として、検討中・・・・

市場ニーズと価格があえば、山での雇用が生まれるとともに、森林の環境整備にも

つながると思います。

密植で、細い小径木が生まれる吉野林業ならではの、活用方法の一つとして

試してみたいと思います。

新しい山林所有者との出会い

天候は晴れ。

今日は新たな山林所有者と山の見回りにいきました。

50年生山(1.5ha)、50~70年生山(1ha)、100年生山(1ha)

3ヶ所を見回りました。

山林所有者は、「先祖から受継いだ山を、このままの状態で放置して

おきたくなかった」、でも「従来の山守も高齢化し、山林管理ができない

状態でどうしようかと迷っていた」と述べられていました。

このように考えている山林所有者が多いのではと、改めて感じました。

今回、偶然か、必然か、所有者の山の隣りの山に仕事に入っていたことが

今回の新しい出会いに繋がりました。

数時間ですが、一緒に山を歩いて感じたことは、受継いだものを何とか

したいという強い想い、先祖への感謝の心が、今回の出会いに繋がった

ように感じてならない。

このような想いをもった山林所有者の期待に応えるべく山林管理をして

いくのが山守としての責務である。

新しい出会いを生む参考文献として、ご紹介させていただきます。

先日、友人のご縁で出会わせていただいた「クロイワ ショウ」さん著者の

出稼げば大富豪の本の中に書かれていた内容です。

CA3A0443

「あのなあ。バリ島と日本の決定的な違い、なんかわかるか?」

「仏壇や」

「ようするにな。先祖を敬う心が薄なったんや」

「バリ島の家見てみ、どの家にも神棚があるやろ。

おまえが神様やったら、日本とバリ島どっち住みたい?」

「せやろが、日本はな、いつのまにか、ご先祖様を敬うっちゅう

当たり前のことができへんようになってもうた。

仏壇、粗大ごみで出したりするやろ?」

「だから、神様はどんどんバリに引越してるで。なんでも合理的に

やりすぎた。合理化目指し続けた結果や」

バリ島で23の会社を持っている日本人「丸尾」さんの話です。

私も非常に共感できる部分が多く、日本人の心として失いかけている

内容を鮮明に書かれています。

近いうちに、バリ島に飛び、丸尾さんと会って、話をしたいです。

原木市

天候は曇り後雨。

今日は出荷した原木丸太の晴れ舞台。

久しぶりに原木市場全体に木が並びました。

約4000石(1100㎥)の桧・杉材が並びました。

中神木材も桧158石(43㎥)杉70石(23㎥)出荷しました。

CA3A0288

配列が一番最後ということもあり、人が残ってくれるか?

材木の製品流通が停滞し、売れにくい状況の中で、希望価格で

売れるのか心配でした。

午後から雨が激しくなり、状況が悪い中でしたが、中神木材の木に愛着を

持ってくださる製材所の方が最後まで残ってくださり、今の木材相場の中では

良い方で売ることができ、ほっとしました。

CA3A0289

CA3A0291

今日の高値は㎥あたり18万円。上記写真原木は3mで末口が36cmの桧材です。

材積は0.389㎥ですので、1本単価に換算すると約7万円になります。

これでも10年前の半値かな?

木の価値を伝えるしくみづくりと顧客・工務店のニーズに応える吉野材の加工能力を

上げなければ、価格下落を止めることはできないと思う。

香り輝く木を生み出す自然環境のもと、木を育てるプロ、木を料理するプロが

吉野林業の歴史です。

自然と共生してきた吉野の力を今一度全国に世界に見せる時がきたように感じる!

ヘリコプター出材

天候は晴。

今日は先日山入りし、伐採した桧丸太を土場までヘリコプターで出材する

作業をしました。

CA3A0274

原木価格が低迷する中、ヘリコプタ-による出材は経費的にも売上価格

の半分近くを占めるようになってきました。(原木の樹種・樹齢・品質により

差はありますが・・・)

ヘリコプターによる出材は、今の木材価格からすると大変厳しい状況ではありますが、

小規模民有林で、傾斜がきついところが多い吉野地域にとっては、ヘリコプターによる

出材に頼らなければならないのも現状です。

皆伐といった山の木全部を伐採する場合には、架線出材や林道整備による出材は

コスト的にも安く抑えることができますが、小規模間伐など少量の出材においては、

逆にヘリコプター出材より割高になるもの事実です。

先人たちの培ってきた技術に学び、適材適所の出材方法を選択すると同時に、

新しい木材搬出のかたちを生み出さなければならない時にきているように感じます。

環境破壊(土砂災害・景観破壊)につながらない搬出方法を目指して!

CA3A0278

下刈り、ツルきり

天候は晴。

植林して3年目の下刈りを終えた山林風景です。

CA3A0263

植林の約8割は桧ですが、手前に写っているのは杉です。

下刈り作業をするうえにおいて、重要なことは木に巻きつくツルを切ることです。

CA3A0266

100年先を見据えた林業の第一歩の作業です。

山入り

天候は晴。

今日から新しい山に仕事に入ります。

仕事をはじめる最初の日を山入りといいます。

何十年、何百年という年月、我々に自然の恵みを与え続けてくれた命に!

何十年、何百年という年月、木を育ててくれた先人たちに!

感謝の想いをこめて、一本伐採し、切り株に、お神酒、塩、洗い米をお供えし

安全に仕事ができますように祈祷します。

CA3A0254