木の扱い方(刻印)
吉野林業の特徴の一つに山守制度があります。
山林所有者から、植林から伐採まで山林業務に関わる一連の作業を任され、
森林を守っていくという大変重要な役割であります。
山林所有者と山守の関係は、代々続いているのがほとんどで、強い信頼関係のもと
成り立っています。
しかし、昨今の木材価格の低迷とともに、経営としての林業の難しさから、山守を
続けられず、山守として残っている人達のほとんどが高齢者になってきています。
林業ビジネスの低迷と共に、山林所有者と山守の関係、木に対する接し方が
変わってきているように感じます。
時代の流れの中で、変えなければならないものは当然あると思いますが、
変えてはいけない=守り続けなければならないこともあるということを改めて
考えなければいけない時期にきていることを切実に感じます。
山林所有者の立木を間伐するときには、必ず下記写真のような根株場所に
刻印(山林所有者の印鑑のようなもの)をうちます。
これも山守として続けている信頼の証の一つです。
木の扱い方(伐採)
まだまだ暑い日が続いておりますが、山の中に入ると
場所によりますが、風のよく通るところにいますと、随分涼しくなって
まいりました。吹く風の温度が下がってきました。
今日は 約75年生桧の伐採を行いました。
一本一本丁寧に、山の斜面の方向(上向き)に伐採していきます。
これも吉野林業の歴史です。
上向きに伐採することにより、葉枯らし(乾燥)させる環境をつくり、
山で出来るだけ含水率(木材に含む水分)を下げ、木材を軽くして
出材しやすい状況をつくります。
もう一点、水分を多く含む夏季までは傷つきやすい(木の皮がめくれ易い)状況
にあるので、原木丸太の価値を落とさないように上向きに伐採します。
自分の人生より長い歴史を歩んできた木に対する敬意、自然の恵みと先人の
技術への感謝をもって、伐採させていただくことが木を扱う基本だと思っており
ます。
効率化のための機械化も産業としては、重要なことだと思いますが、
林業再生の第一歩は、木への接し方(感謝の心をもつこと)からはじめなければ
いけないのではないかと感じます。
土とたわむれて
大淀町西増にある陶芸工房 楽風(木綿谷先生)でふるさと灯りを作成しました。
陶芸はイベント事業で企画はしたことがあったのですが、実際に自分自身が
体験するのは初めてのことで、一抹の不安がありました。
しかし、土と語り合いながら、触れ合いながら作品作りをしていくうちに、
自分のイメージしている以上の作品が出来上がっていきます。
今回作成した作品です。
最初は樽丸をイメージして作ろうと思っていたのですが・・・・
みんな個性豊かな素晴らしい作品が出来上がりました。
今回初めて陶芸をさせていただきましたが、改めて土の魅力と
人との合性の素晴らしさを感じることができました。
人は自然と向き合い、自然と共生することができる・・・・・
自然は人の心を形成する大きな力を持っている・・・・・
土とたわむれて、やるべきことがまた一つ見えた有意義な一日でした。