銘木と銘酒のまちフォーラムのご案内
「温故知新」
今一度吉野杉の原点である樽桶に立ち戻り、吉野材の活路を見出そうと
する第一歩のフォーラムです。
また、日本の林業のあるべき姿を考えるきっかけとなり、地域固有の文化として
林業を捉える機会としたいと思っております。
詳細は主催の吉野ウッドプロダクトのホームページをご覧ください!
http://www.yoshinostyle.com/index.html
参加申し込みは2月20日となっておりますので、お早目にお申し込み下さい!
一年の始まりは、山の神から
新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
2011年もスタートして、はや7日目を迎えました。
地域によって違いはありますが、私の地域では例年1月7日に山の神にお参りし、
一年の仕事がスタートします。
もっと盛大にやるところもありますが、一年間、無病息災、事故なく安全に山仕事を
させていただくことをお祈りし、山で生きることに感謝をささげる日でもあります。
山で仕事をさせていただく基本は、山の神です。
小さな木でも、大きな木でも、除伐の木でも、間伐の木でも、
生命をもった木に対して接するときは、
常に自然の恵みに対する感謝の念、育てていただいた人への感謝の念
をもって望まなければなりません。
年々林業に携わる人が減り、お参りするのは数人になってしいました。
しかし、少なくなっても、山の神という日の意義を忘れることなく、
2011年も林業道に邁進したいとおもっております。
2010年に感謝!
2010年もあっという間に終わりを告げようとしてます。
約2ヶ月ブログもかけず、走馬灯のように過ぎ去りました。
目標に向かって、新しいことへチャレンジする、そうすると不思議と
必要な人材に出会うことができる、この2ヶ月はそんな出会いがたくさんありました。
2010年、いただいた人脈をしっかりと受け止め、2011年へ繋げたいと思います。
1年間お世話になりました皆様方に感謝し、新しい年を迎えさせていただきたいと
思います。
大晦日、大雪に見舞われています。
自然の力には勝ることが出来ないということを改めて感じております。
一年間の疲れを、家族とゆっくり過ごすことでリフレッシュし、2011年も
挑戦し続けたいと思いますので、宜しくお願いします。
長野県小布施町視察その②
セーラ・マリ・カミングスさんへのささやかな贈り物
樽丸
木桶仕込みという日本の文化、職人の技術について、現況を踏まえ、
セーラさんの想いを聞かせていただき、再び日本文化の風を吹かす動きを、
吉野から発信しなければいけないと感じました。
小布施の栗の季節の名物「朱雀」
期間限定、販売個数限定の栗の点心をいただくことができました。
ハーフサイズ
食事のあと、ハーフサイズの朱雀をいただきましたが、栗本来のもつ
甘みを味あわせていただきました。
今年の販売期間は10/19をもって終了しましたが、販売時間を朝9時から12時
までの限定200個としてあることで、日曜日には朝5時から並ばれる方もおられた
そうです。小布施の魅力を感じさせていただいた2日間でした。
長野県小布施町視察その①
木桶仕込み復活の町、小布施町へ、木のある暮らし物語協議会6名の
メンバーで視察に行ってきました。
視察といっても、単なる説明を受け見学するものではなく、桝一酒造の市村社長、
セーラ・マリ・カミングスさん、文化事業部の青木さんと直接意見交換をさせていただ
き、木桶仕込みの現状を聞き、今後の方向性を決めるぐらい、大きな意味を持つ
視察でありました。
年間130万人の観光客を呼び込む小布施には、長期的な戦略と、積み重ねてきた
人づくりを感じました。
若者がおもてなしの心をもって、活き活きと働く姿が小布施にはある!!!
「人は人にひきつけられ、寄ってくるものだ」と改めて感じました。
蔵を改築した桝一客殿
桝一客殿でのおもてなし(人材)
蔵を改造した「蔵部」
木(栗の木)レンガでの景観づくり(環境)
和泉市にある桶の肉料理店
大阪府和泉市にある肉料理「和泉野」に、ご案内していただき、
何と桶の中で、焼肉をいただきました。
少人数から大人数(30名)まで対応できる桶の部屋が16も
あります。
各部屋には、カラオケもセットされておりますが、円という構造体なので
声が反響してエコーがかかったようになり、不思議と声が外へ聞こえない
です。
酒造りに使用されていた桶が、今もなお活かされている光景に感銘しました。
吉野杉の原点、樽桶を切り口に、人が集う、奥の深い魅力ある地域づくりを
目指し、頑張りたいと思います。
地域の特色を活かした林業再生を目指して②
木と人、木と町のかかわりを知ること、すなわち木の歴史を知ることで
地域独自の木の活かし方が見えてくるのではないだろうか。
当然、歴史ある林業地、先進的林業地など地域の差はあれど、
林業再生への道筋は考えていかなければならない状況にあります。
吉野杉は、樽桶としての利用用途において大きな役割を果たし、
吉野林業の歴史をつくりあげてきた一つでもあります。
吉野杉の特徴を活かした木どり、容器としての機能、お酒との合性を
上手く結びつけた、木を活かした樽丸という文化を作り出してきました。
木と向き合うことで、木を知り、木の使い方が見えてくる。
そして木の活かし方のヒントになる地域の特色があるはずである。
それらが結びつくことで新しい用途が開発されたり、新商品が生まれたり
するのだと思います。
ひいては、地域の文化として、新たな歴史を築く。
地域の特色を活かした林業再生を目指して①
今、国の方では木材自給率50%を目指して、林業再生プランを進めております。
林業再生に向けては、いくつかのポイントがあろうかと思います。
林道・作業道整備、集約化施業、大型林業機械による低コスト搬出、
森林組合のあり方、人材育成、国産材の利用等々あります。
林業再生への道のりは、木が商品として使われるまでの時間、しくみを見る限り
容易いものではないことは、誰しもが認識しているところであろうかと思います。
木というものは、地域の文化であり、日本の文化でもあります。
我々が今一度考えなければならないことは、木という文化が地域地域で
どのような歩みをしてきたか、人や町とどのように関わってきたかを再認識し、
林業再生にむけて取り組むことが重要ではないかと思います。
そのことをせず、産業としての効率化ばかりを進めてしまえば、
日本の心という大切なモノを失くしてしまうような気がしてならない。
木の扱い方(刻印)
吉野林業の特徴の一つに山守制度があります。
山林所有者から、植林から伐採まで山林業務に関わる一連の作業を任され、
森林を守っていくという大変重要な役割であります。
山林所有者と山守の関係は、代々続いているのがほとんどで、強い信頼関係のもと
成り立っています。
しかし、昨今の木材価格の低迷とともに、経営としての林業の難しさから、山守を
続けられず、山守として残っている人達のほとんどが高齢者になってきています。
林業ビジネスの低迷と共に、山林所有者と山守の関係、木に対する接し方が
変わってきているように感じます。
時代の流れの中で、変えなければならないものは当然あると思いますが、
変えてはいけない=守り続けなければならないこともあるということを改めて
考えなければいけない時期にきていることを切実に感じます。
山林所有者の立木を間伐するときには、必ず下記写真のような根株場所に
刻印(山林所有者の印鑑のようなもの)をうちます。
これも山守として続けている信頼の証の一つです。
木の扱い方(伐採)
まだまだ暑い日が続いておりますが、山の中に入ると
場所によりますが、風のよく通るところにいますと、随分涼しくなって
まいりました。吹く風の温度が下がってきました。
今日は 約75年生桧の伐採を行いました。
一本一本丁寧に、山の斜面の方向(上向き)に伐採していきます。
これも吉野林業の歴史です。
上向きに伐採することにより、葉枯らし(乾燥)させる環境をつくり、
山で出来るだけ含水率(木材に含む水分)を下げ、木材を軽くして
出材しやすい状況をつくります。
もう一点、水分を多く含む夏季までは傷つきやすい(木の皮がめくれ易い)状況
にあるので、原木丸太の価値を落とさないように上向きに伐採します。
自分の人生より長い歴史を歩んできた木に対する敬意、自然の恵みと先人の
技術への感謝をもって、伐採させていただくことが木を扱う基本だと思っており
ます。
効率化のための機械化も産業としては、重要なことだと思いますが、
林業再生の第一歩は、木への接し方(感謝の心をもつこと)からはじめなければ
いけないのではないかと感じます。